研究成果「婦人科系疾患に産後うつリスク」記者発表を行いました!

4月24日、高知大学医学部にて、菅沼成文教授、コンゴから留学している産婦人科医のムチャンガ・シファ研究員らによるエコチル調査の研究成果(論文名"Preconception gynecological risk factors of postpartum depression among Japanese women: The Japan Environment and Children's Study (JECS) 日本人女性における産後うつと妊娠前の婦人科系疾患リスク要因)について記者発表を行いました。

今回の研究で、妊娠前に子宮内膜症や月経困難症、不正子宮出血など婦人科系疾患のある人は産後うつを発症するリスクが高まることが分かりました。

研究ではエコチル調査に協力いただいている全国のお母さん82,489人の出産時のデータを用い、産後うつ傾向があると評価された11,341人(14%)と傾向のない71,148人を比較しました。

日本では出産後の女性の5-10%が産後うつを経験するといわれています。
産後うつに関するこれまでの研究の多くは、心理社会的要因、精神的要因に焦点を当てており、身体的要因にはほとんど焦点が当てられていませんでした。
そこで、身体的要因の1つである婦人科疾患に着目し、産後うつとの関連を調べることにしました。


この日は、高知大学の本家孝一医学部長をはじめ、高知ユニットセンター長である菅沼成文教授(左)とムチャンガ・シファ研究員(右)が出席し、研究成果を発表しました。

皆様のご協力によって調査が進み、少しづついろんなことが分かってきています。
今回の研究もそのひとつです。エコチル調査で分かったことを今後も皆様にお知らせしていきます。

この研究成果は、平成29年3月30日付で、国際誌Journal of Affective Disordersにオンライン掲載されています。